少年と新たなる始まり

3/87
282人が本棚に入れています
本棚に追加
/465ページ
 大和の住んでいるアパートから、高校までは歩いて約十分程しかかからない。  当然遅刻などするハズもないし、現に一回もしたことがなかった。  だから、そういう物件に住む者は、はっきりいって大和と同じ高校に通う者としては憧れであった。  何しろ市内にたった一つしかない高校なのだ。  電車の始発に乗らないと遅刻する……といった輩も、少なからずいる。  まあそんなことはどうでもいいとして、要は大和の家は高校から近いということである……のだが。  残念なことに、大和は朝が弱い。  低血圧ではないが、べらぼうに朝起きるのが辛いため、きつさの度合いとしては、電車始発組とそう差はないのであった。
/465ページ

最初のコメントを投稿しよう!