少年と新たなる始まり

4/87
282人が本棚に入れています
本棚に追加
/465ページ
「ぐあ……。視界が……」  眠さのせいか、大和の体がぐらりと揺れる。  慌てて体制を立て直そうとするが、足も覚束ないために、酔っ払いを連想させるような奇妙な踊りを踊ってしまう。  そして遂には、足を絡ませて、仰向けに倒れ込んだ。  実に滑稽である。  しかし運が悪いのか、はたまた不注意なのかはわからないが、仰向けに倒れた大和の頭は、受け身もとれずに舗装されたコンクリートの地面にダイブしてしまった。  鈍い音が、登校中の他の生徒の耳に届く。 「うごぁ!!」  大和は涙目になりながら、後頭部を抱えてじたばたと悶絶する。  どうやらシャレにならないくらい痛いらしい。
/465ページ

最初のコメントを投稿しよう!