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無機質な時計のアラーム音。
大和はそれで目を覚ました。
けたたましく鳴りやがるアラームの音は、うるさくてうるさくてとてもいらいらする。
大和は体を起こし、未だふわふわと夢の中をさまよっているような頭で立ち上がった。
体の節々が痛い。
首も寝違えたらしい。
最悪だ。
まるでオランウータンにとりつかれたように、大和はふらふらとテレビの横に置いてある時計に近寄る。
(人の……惰眠を……貪りやがって!!)
半端じゃない恨みを込め、壊れるんじゃないかと思うくらいの強さで、大和の拳が時計の上のスイッチをぶん殴る。
チン……という音と共に、時計のアラームは今朝の一仕事を終えた。
最も、毎朝のように大和のためにアラームを鳴らしているのにも関わらず、このような仕打ちを受ける時計も、些か可哀想なのだが。
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