聖なる女神

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聖なる山エリクシオンへ向かうことを決意したマリアニールは一人デルタに呼び出された……。 「マリアニールよ…そなたは今は神の力を御しきれておるが…いつどうなるかわからぬ…」 「はい」と不安そうに返事をしたマリアニールだった…。 デルタは不安そうなマリアニールを見ると一つの指輪を託した。 「この指輪はのぅ…私が若いときに魔力を込めた指輪だ。」 デルタはシンプルなデザインのシルバーリングをマリアニールの小指にはめた…。 「え?魔力……?」 恐ろしそうにその指輪を見つめながら、マリアニールはデルタの方を向いた。 「盾になれと思えば指輪はお前を守ってくれよう。お前を守る刃にも変わってくれよう…。」 何の変哲もない指輪にしか見えないものがそんな訳がないと心の中で思った瞬間❗ 「え…?」 マリアニールは絶句した…今ついさっきまで指輪の形をしていたものが…マリアニールの背丈に良くあった、杖へと変化をし始めた……。 「いつも杖の形にしておけばいろいろ都合も良いだろう…」 デルタは見たか❗と言わんばかりに、マリアニールに言った。 少し寒くなってきた…そろそろ冬の季節がやって来る。マリアニールは寒さに震えているのか…それともこれから起こる自分の運命に怯えているのか……マリアニールにすら分からない不安に似た感情が心の底から込み上げてきていた……。 ただ今のマリアニールにはその不安を拭いさるだけの未来さえ見えない…暗闇にいた……。 「イリアよ…私はマリアニールを信じる……良いな?」 アルデインは気を失ったイリアにマリアニールを信じるように言った。いや…妻にも我が娘を信じて欲しいという願望だったのかもしれない……。 イリアはそれを察したのか…小さく『はい』とアルデインに同意をした。 翌日 「お呼びでございますか?王……」 若い長身の美形の男が王間に呼ばれていた。この男こそこの国の騎士団長レイスだった。沈着冷静で頭のキレる実力派の騎士団長だった。
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