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出立の用意をしているマリアニールをレイスが訪ねた。
「レイス?ついて来てくれてとても嬉しく思います。」
マリアニールはレイスに感謝をした。自分の事を止めてくれる人がいることで、マリアニールもかなり楽になったようだった。
「ひ…め。出立は明日に御座います…本日はもうおやすみなさいませ」
マリアニールは不思議に思った。レイスは自分と話すときいつも、たどたどしい話し方をした。
レイスは静かにマリアニールの部屋を出た。
「マリア…ニール…」
レイスはそう呟くと一人その場に座り込んでしまった。
マリアニールはなかなか寝付けなかった。これから自分の心がどこへ向かうか、不安で仕方なかった……。寝付けないまま朝日がマリアニールの部屋に差し込んだ。
「マリア…必ず戻って来い。お前が帰る場所はここ以外ないのだから…」
アルデインはマリアニールを抱きしめ名残惜しそうに娘を離さなかった…。
「お父様………ありがとうございます。」
マリアニールは父の胸の温かさを忘れないように必死でしがみついた。マリアニールは父の肩越しに母の姿を見つめた。イリアは見つめているマリアニールの視線から目を逸らした。
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