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「もぉ生きていけない! 糖分足りない!」
クラスじゅうの視線を一身に集めたが、浜名は机に泣き付いた。
河田の眉が垂れ下がった。
「浜名…あんた、何年生?」
「……中2の女の子ですぅー」
ゆっくりと顔をあげて、河田を見る。
その瞳には、潤いが。
昨年からの付き合いの河田は、何度目かも解らない慈悲の心を見せる。
「ほら、これあげるから泣き止め」
彼女が差し出したのは、チョコチップクッキーだ。
この時期、板チョコ2枚とマフィンの残りのチョコチップで遣り過ごす浜名は、拝まんばかりの勢いで飛び付いた。
「キャーッ! 河田ラブ!! 親友!!!」
「現金だな、オイ」
そんなこんな、彼女はホワイトデーを誰より待ち遠しく思っている。
「貰ったのは、ちゃんと私にも分けてよ?」
「承知! 1人じゃ食べきれないよ」
……正確には、2人だろうか。
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