9人が本棚に入れています
本棚に追加
「・・・名を、教えてくれんかの」
信長が、狼牙に問う。
「・・・朽木、狼牙・・・」
「良き名じゃの。
・・・さて、狼牙よ。未だ汝の
疑問に二つばかり、答えて
なかったな。・・・今から答えを
見せ、そして教えよう」
信長はそう語ると、右手だけに
していたグローブを、外した。
「一に、現魔(げんま)武将とは
何か。・・・それは魔術を扱う
武将のこと。
現魔武将には皆、右手の甲に
各々の家紋の字がある。
・・・そこから魔力が発生し、
術として繰り出す。
二に、何故狙われなくては
ならないのか。・・・それは
汝の前世にある。」
右手の甲に、織田の家紋を持つ
信長と名乗る人。
・・・それを目にして、分かった。
私も、また―――
「日本を大いに変えた儂を裏切り
殺したが故に更なる『変化』を
この国にもたらし、
汝は『天下人』を決めたような
もの。」
つまり。
私が居れば、天下人になれる。
そう考える人達が、私を狙う、と
そういう、訳か。
―――やはり、私の前世は・・・・・・
「・・・それもこれも、汝が
明智光秀の転生した姿だから
という理由に他ならぬ」
最初のコメントを投稿しよう!