第一之噺 突然

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「・・・私が、明智光秀・・・」 懐かしいような、 哀しいような・・・不思議な感覚。 同時に湧き上がる、辛いという 感情。 ・・・私は思い出して、色々 後悔した。 私が・・・『光秀』が、信長を 殺さなかったら、早く平和が来て いたのではないのか。 そもそも、『光秀』が存在 しなければ、 もっと早く、争いが消えたのでは ないか……。 ・・・そう悩む私に、『伊達』が 声を掛けてくる。 「お前さえ居れば、我が伊達家も  天下を取れる。・・・こちらに  来い、明智光秀」 手を差し伸べ、近寄ってくる。 その手を拒もうとした時――― 「行かせぬよ」 『信長』が、『伊達』の目の前に 立つ。 「・・・光秀、  もう儂は怒っておらぬ。  寧ろ嬉しいのじゃ・・・汝に  殺されたのが。  ・・・どうか、目覚めては  くれぬか。  お前の力が、必要なのだ」 涙が込み上げてきた。 「光秀殿・・・」 真田兄弟が、涙を流す狼牙を 見詰める。 「・・・信長、さま・・・・・」 名を、呼んだ時だった。
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