第一章

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「今日ひまだろ?」 そう言いながら、兄貴は俺を連れ出した。 兄貴の車ん中には風俗雑誌とエロ雑誌がいっぱいあった。 ペラペラと雑誌を捲る兄貴は"泡姫"と言う風俗のページで手を止めた。 「ここさ、本番OKらしいぜー」 ニヤニヤしながら雑誌を見る兄貴はまさしくオスだ。 「どの子か選べ!兄ちゃんが奢ってやんから抜いてもらえ!」 素面に見えないテンションの兄貴を横目にとりあえず雑誌を見てみた。 「………」 雑誌を見た俺は言葉を失った。 雑誌には"百合愛"と言う名前の桜井に似た女の子が載っていた。 「兄ちゃん、百合愛って子呼んで」 俺は百合愛ちゃんを指名してもらった。 桜井に似てたから。 桜井を想像して一人で抜くより、桜井に似た子に抜いてもらった方が虚しくないと思ったから。 俺…間違ってたのかな?
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