第二章

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無意識に俺は桜井に告白していた。 恥ずかしくて顔が見れない。 風呂の泡を見つめるしかない。 「東海林くんといるとね、なんだか和むの…。ほんわかするの………ねぇ、東海林くんがもしよかったら、また今日みたいに一緒にいてくれる?」 顔をあげると、必死そうな顔で桜井は俺に訴えていた。 今にも泣きそうな顔で、必死に…… 「いいよ」 桜井が俺といて和むなら、ずっと傍にいたい。 「ありがとー。お金とかはいらないからっ!今日の分もね…?」 「え?でも、これは桜井の仕事だろ?さすがに手ぶらじゃあ……」 「もぉ、萌が大丈夫って言ってるんだからいいのっ!」 さっきまでは満面の笑みだったのが、今はすね気味な顔をしている。 桜井はころころと表情が変わるから見てて飽きない。 出来ればさ、寂しそうな表情じゃなくて、今みたいに笑ったり、すねたり、そんな明るい表情でいてほしい。
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