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「いてて…」
俺はようやく立ち上がった。体は痛みを伴っている。
体を見回して怪我がないか確認すると、すぐに周りを見渡した。
「おいみんな平気か!?」
「いてぇな…何が起きたんだ?」
立ち上がったのは疾風(はやて)。トゲトゲした頭を押さえてるが、特に外傷はないみたいだ。
疾風が立ち上がったのに呼応するようにみんなも立ち上がった。
「あたしは平気…柚月(ゆづき)も平気?」
「うん…傷はないわ」
「よかった…早く出よう!」
そこにいたのは四人の男女。
パッとしない頭のいい長身細身の俺と、役立たない知識が好きなツンツンした髪型の疾風、長身にスレンダーな体で腰まで伸びる綺麗な髪が特徴の柚月、元気一杯で背の小さい可愛い遙(はるか)。
そんな四人…。
「寒い…早く出なきゃ死んじゃうよ!」
そこは冷気が目に見えるほどの寒さ。床以外の場所は霜が降りて凍り付いている。
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