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笑われたことにむっとしながらも頷く彼に急ごうと促しながら、ふと思いつく。
彼の押しで僕が落ちる。
そんなシチュエーションにしたら、きっとまた調子に乗る。
それはまずい。
どうせ力押しでは勝てないのだ、せめて駆け引きの主導権くらいはこちらが握らねば。
先に出ようとしながらふと振り返り、ひとこと。
「でもまあ君となら…また明日会ってもいいかな」
素気ない一言なのに、彼の顔が一気に赤くなる。
「ま、まじ…?」
すたすた歩き出す僕をまじ? ほんと? と連発しながら追いかけてくる彼を背中に感じて、気持ちが高揚する。
う~ん、悪くない。
さてそれにしても…。
呼んだはいいが今日の仕事で何をやらせよう?
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