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―*~。*°*~。~♪
声を追い掛けながら、考えているとふと気づく。
…そういえば、何故私は動けるのだろう。
今までに、考えた事の無い疑問が頭に浮かぶ。
それと同時に思う。
このまま追い掛けていけば、『普通』に戻れなくなる――と。
それは、とても嫌な事で。
それは、とても嬉しい事で。
…私はどうすればいいだろう。
いつの間にか、私の足は止まっていた。
それと共に、声も聞こえない。
音のない世界。
誰ひとりいない世界。
《この役立たずが…》
―私を蔑む声もない。
《ふん!ほら、こうして欲しいんだろ?》
―私を虐める人もいない。
――私だけの世界。
…っ!
急激な痛みに、頭を押さえる。
―*~。*°*~。~♪
再び音が戻ってきた。
何だ?今の『声』は…
私は…何を忘れている?
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