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屈託のない笑顔に騙されそうになる時がある。 でもそこにいるのは、天使の顔をした悪魔だ。 「じゃ家で待ってて」 そう言って誰にも見えないように鍵を受け取り鞄の中に隠した。 幸樹の部屋には、何度か行った事がある。 勿論、身体の関係を持った事もある。 だけど、別に好きな訳じゃない。 私は、幸樹の闇に引き寄せられ、恋愛を売る幸樹に騙されたふりをして傍にいるだけ。 それが好きという感情というならそうかもしれない。
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