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花が咲き乱れ、花びらが風に乗ってひらひらと舞落ちる。
舞落ちて行く花びらは、日差しに照らされキラキラと輝く。
舞落ちた花びらは地面を飾り、人の目を楽しませてくれる。
そんな中を一人の男性がある場所に向かって歩いていた。
彼らが向かっているのは、ヒリッシュにあるドーム状の建物がある場所だった。
「遅かったな。パラウ」
「お前が早すぎるだけだ」
建物に到着すると、パラウの登場を待ち侘びていたようにナウスがパラウを出迎える。
「準備は出来ている。二人はまだ来ていないからな。先に飲もうじゃないか」
ナウスはそう言いつつ、ドーム状の建物に入って行く。
パラウはナウスに付いて行き中に入ると、綺麗な白のカーペットが敷かれており、その上に色とりどりの御馳走と酒が並べられていた。
「美味そうだな」
ニッと笑みを浮かべつつ、パラウはナウス共々カーペットの上に座った。
お互いに杯の中に酒を入れ合い、互いに乾杯をする。
「待たせたかな?」
違う所から声が聞こえたため、パラウとナウスはその方向に視線を向けると、そこにはディアルが立っていた。
「少し着付けに時間が掛かってね」
「着付け?」
パラウが疑問に思い首を傾げていると、ディアルがその場から退いた。
「「!!」」
パラウとナウスがあるものを見て目を丸める。
二人が驚くのも無理はない。どこかのお姫さまではないかと言うほどの綺麗な衣裳に身を包んで、軽くメイクまで施しているシュリの姿があったのだ。
「やっぱり派手すぎました?」
恥ずかしそうに言うシュリの言葉に、軽く見とれてしまっていた二人は首を振る。
「素敵じゃないか。どんな花よりも君が輝いて見える」
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