対面

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対面

この世は三つの国に分けられている。しかし、三つの国の中心にどの国にも属さない大きな町があった。 その町の名前はヒリッシュ。三つの国の情報が行き交う重要な町でもあった。 そんな町に、パラウ王、それから二人の側近シュリとラインがやって来ていた。 戦について、様々な交渉をするために三人の王が集結する手筈となっていた。 「しっかし、いつ来ても貧相だなぁこの町は」 朝が早かったため、大欠伸をしながら呟くパラウ。 国の援助を受けていないこの町では、どうしても自給自足の生活になってしまうのが現状で、高価な服や良い家も買えない住民が半数を超えるため、派手好きなパラウにとってはとても貧相に思えた。 「ここはここで良い場所だと思いますよ?私は」 「自由主義者や国を追われた奴らが住むような町だぞ?どこが良いんだか」 そんな事をにこにこと笑みを浮かべながら言うシュリに、ラインは溜め息混じりで言葉を返した。 「それに、国で一番危険が多いとも言われてるしな。お前はお人好しだから、簡単に騙されて身ぐるみ剥がされちまうぞ」 パラウはラインの言葉に続いて言うとガハハッと盛大に笑った。 「そんな恐いこと言わないで下さいよ…」 シュリはそこまで言われるとさすがに恐くなってしまったのか、辺りを気にしつつ苦笑を浮かべるしか出来なかった。 「付いたぞ、あそこだ」 国の会議が行われるのは、町の中心にある、石作りの大きなドーム状の建物だ。出入口が沢山あり、とても風通しの良い建物だが、中は椅子が並べられているだけのシンプルな作りになっていた。 ここが、パラウ達が王になる前に初めて出会った場所だ。 三人は中に入ると先客が居ることに気が付いた。 「遅かったな。てっきり私に恐れをなして逃げ出したのかとばかり思っていたよ」 そこに居た先客はナウスだった。ナウスの人を小馬鹿にしたような言い方にパラウは眉間に皺を寄せた。
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