勇気を出して

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久しぶりの街は、 人混みと人の歩く 速さに目眩すら 起こしそうになり みのりの心臓は バクバクなっていた もう…無理かな… 家に引き返そうとした そんなとき二人は ぶつかった みのりは不安と恐怖で 後ずさりして逃げようとした瞬間 こらぁどこ見て 歩いとんのじゃ 見るからにヤクザ屋さん 何度も頭を下げながら みのりは呪文のように ごめんなさいを 繰り返しつぶやきながら 目から涙があふれていた鼻水まで…も 汚い女だ ちょっと こっち こい 殺されるかもしれない ふと… みのりの脳裏に浮かぶ 血まみれで横たわる 自分の姿 いっそう激しく 涙と鼻水で 顔はくしゃくしゃになっていた なんで こんなことに… 引きこもりから 抜け出す 決心をして 外に出た日が 人生の終わりに なるかもしれないなんて
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