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真っ暗な部屋の中
ロウソクの灯りだけが不気味に広がる。
これでようやく俺は大金を手に入れる。
そうすればこんな所サッサとおさらばだ。
クックックッと男が不気味な笑いを浮かべ、悦に浸っているとまるで邪魔をするかのごとく携帯電話が鳴り響いた。
「全くこんないい気分の時に誰だ?」
愚痴りながらも携帯電話の通話ボタンを押した。
『あっ、兄貴。逃げてください。
サツに感づかれました。
兄貴の所に行くのも時間の問題です。』
携帯から耳をつんざくような怒鳴り声が聞こえた。
男はさっきまでの余裕の表情から一変し、慌てたようにこちらも怒鳴りあげた。
「な、何?
くそっ、あれだけへまするなと言っておいただろっ!?
おいっ!!しばらく時間を稼げ。例のブツを隠す。」
叫ぶと同時に男は何処かへ走り去って行った。
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