17歳 -春-

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「じゃあまた明日。」 と、お決まりの挨拶を交わし、 コンビニに寄り求人誌を手に入れた。 少し厚めの本だが、 まあ、読むページは限られてる。 家へ進む足が早く感じた。 オートロックのマンションの鍵を照らし、 エレベーターに乗り、重いドアを引く。 「お帰り。」 気持ちなしの挨拶だが、 母親からの応答はある。 「勇希、仕事探しなさい。」 分かってるよ、と出そうな 汚い強い言葉を喉で止めて、 部屋に入り布団に体を乗せた。 「さて。」 自分に言い聞かせるように、 母親の期待を裏切らぬように、 重たい本を手に取った。 目次のようなものがあり、 飲食店、県外住み込みなどある。 ペラペラと軽く捲り続けるページ。 もう残り少ない所まで来た。 そして目に留まった言葉。 “日給2万”や“高時給”と。
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