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時間はゆっくり経って行く。
それは世界の法則であり、 誰にも変えられることもなく、 誰にも介入されることがない一種の魔法。
「んっ……あれ?」
その魔法は修哉の中の時間を無視して進んでいたらしい。
店内の窓はすべてカーテンで覆われ、 電球の明かりで包まれている。 代わりに、 出入口のドアから見える外はいつの間にか闇に包まれていた。
「おはよう、 修哉君。 疲れてたのかい? 店に来て珈琲全部飲ま前に寝ちゃってね。
今は夜の七時だよ」
修哉がキョロキョロと店内を見ているのを察したマスターが説明して、 眠気覚ましにと再び珈琲を修哉へ差し出してきた。
それをありがたく受け取り口に含む修哉。
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