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帰り道、 街灯が間隔を空けながら地面を光で照らし、 修哉の視界の補助をしていた。
その帰り道を修哉はゆっくりと進んでいる。
「……」
異変に気づいたのはすぐ。
時刻は既に夜八時前。 遅めの夕飯時間、 家族の団欒の時間帯なのにも関わらず周りの家の明かりが全く点いていないことに修哉は違和感を感じた。
この街がこんなに暗いことは滅多にない。 寧ろ、 自分が歩いている道こそ街灯だけの明かりだけというのがありえない。
ここは住宅街。 どんなことがあってもこの道は家の明かりで嫌でも明るいはずの道だった。
それは何年もの間、 この道を歩き続けてきた修哉なら知っていて当たり前のこと。
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