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学生が毎朝当たり前のように学校へ行くのは当然である。
いつも通る道を、 いつもの時間に学校へ向かって足を運ぶ少年が一人や二人いてもおかしくはない。
だが、 現在時計は丁度午前八時十五分を指している。
高校生が家を出るには遅い時間帯だ。
「行ってきます」
アパートの一部屋から出てきたこの少年は、 焦る素振りも見せること笑っているようで笑っていない表情のまま朝の通学路につく。
学校へ行くのはあまり乗り気ではないようだ。
この少年、 重崎 修哉にとっては学校へは登校時間までに着かないことが当たり前の日常と化していた。
一年前、 そんな修哉の日常が静かに崩れた。
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