希望の差出

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希望の差出

しばらくして、戻って来ると 先生らしき人が君のいる部屋から 悲しい顔をして出て来た 「残念なお知らせです 彼の余命は、残り4ヶ月です」 一瞬私の時が止まった 多分君の両親もそうだろう 手術での希望は無く 大きな癌が肺に出来ていたらしい いわゆる肺癌だ すると君がいる部屋から 大きな物音がした 先生がドアを少し開けると 君がドアに寄りかかり 魂が抜けた死体ように無表情で   目から涙を流していた 私は君の所へ行き、君の右手を自分の両手で包んだ   悪魔なんかに負けて    残りの時間で泣かないで   真っ直ぐ行こう    残り僅かな時間で歩こう  冷たい現実なんかに          負けるな  したいことをして         くいを消せ    叶わない悪でも     叶わない恋でも   最後まで叶うよう繋ごう さよならなんてないから    この手を繋がなくても      心で繋ごう そんな思いで 君を真っ直ぐみると君は笑った そして、私にわかったと言った     希望を持とう      最後まで生きよう   最後にきみにできること      恩返しはできないが    笑顔であるよう     キミが最後まで    笑顔であるよう      手を繋ぎ      忘れぬよう    この世の思い出を      忘れぬよう      一緒にいよう     キミが泣かぬよう      消えるまで     キミが泣かぬよう      最後まで一緒に   きみのて わたしのて  繋いだ、     離さないよう      強く握り合う 、
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