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「………ということから戦争が始まったのです。」
古からの伝承、そしてその伝承が事実であったことを証明する物の実在。これまでにこの大陸を統一した者がいないということ。これらこ理由から考えると、確かに戦争を始める理由にはなるだろう。
「ですけど何処の国も戦争に反対しなかったんですか?」
基本的に人というものは欲望の塊みたいなものだ。他者よりいい思いをしたい、他者より優れていると証明したい、そういったものが少なからずあるはずだ。しかしそれ以上に相手を思いやることのできる者もいる。そういった者がいるはずであるにも関わらず、何故皆戦うことを選択するのかがわからない。
「ある一国だけは中尉の言ったように反対の姿勢を執りました。そしてその考えに同意したものも思っていたよりも多数おり、その一国に移住・亡命していきました。その国は基本的には戦闘行為を行いませんでしたが、自国に何らかの被害が起こりうる場合には防衛という理由により戦闘行為を行いました。しかしある研究者の研究結果から事態が一変します。神剣はマナという高度な精神エネルギー、わかりやすくいうと精神力みたいなものですね、それを有しており神剣を破壊すると破壊した方の神剣は強化されていくということがわかりました。つまり神剣を破壊すればするほど自身の力になっていくということですね。その報告があったのは大体半年前です。そしてそれによりその国ではクーデターが起こり、トップは処刑され新たな指導者がトップになりました。」
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