斜陽

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 「では一般的な神剣と主の神剣についてじゃな。神剣は一般的に壱(いち)~拾参(じゅうさん)の位に振り分けられておる。壱に近いほど神剣の神格は高く、強く、少なくなる。また参位以上の神剣になると特殊な能力を持つ神剣がほとんどとなる。参位以下にも能力を持つ神剣がある可能性はあるが、より高位な神剣ほど便利な能力になりやすい。  ただしその分、所持者に対するデメリットも強くなる。まぁ無償の奇跡は存在しないといういい例でもあるのじゃがな。このデメリットというのが強制力のことなんじゃが、それはその神剣の名前によって決まってくる。  それで主の神剣なんじゃがな、神剣・第参位断絶という。全体で見れば高位な神剣じゃな。」  剣からの声はそこで一旦言葉を区切った。それはどこか迷っているようにも見える峻馴(しゅんじゅん)だった。何を迷うのかはわからないが、正直ここまで来たら話してもらうしかない。どちらにしろ受け入れるしかないのだから。  「この断絶の能力は文字通り“断絶”じゃ。普通に使う分には一般的なものよりも折れにくく、鋭い剣というだけなのじゃが、神剣の力を解放すれば断ち切ることができないものなど存在しなくなる。それが石などの物質的なものはもちろん、炎や水等の物質的ではないもの、運命や事象ですらも断ち切ることができる。  そしてデメリットじゃが断絶の能力をどこまで解放したかで決まる。」  デメリットの部分だけがイマイチわからない。何を斬ったかではなく、どれほどの度合いで解放したかできまるというのか。それならもし他愛のないものを、全解放して断ち切ったらどうなるのだろうか。やろうとは思わないが多少気になるところだ。
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