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「仮に断絶の能力を全解放したならば身体はズタズタに切り裂かれ死に至る。さらには魂にも被害が及ぶゆえ、来世に転生することも叶わぬであろう。」
転生というのは仏教やインド哲学などで有名な輪廻転生のことだろう。魂が転生するなんてことはあまり信じていない俺にとっては来世のことはあまり気にならないが、要は魂が円環の輪に戻らずに霧散して消えるということだろう。
「まぁ最小限の解放ならば足の健が切れたり切傷ができたりするぐらいであろう。肉体的な被害の他にも断絶のデメリットは存在するが、それはそのうちわかるじゃろ。」
「それは教えてくれないのか?」
「すでにそのデメリットは主を取り巻いておる。言わずとも気づくはずじゃ。
まぁ神剣の説明はこんなところじゃ。くれぐれも神剣の解放には気をつけるんじゃぞ。む、そろそろ奴が来そうなのでな暫し失礼する。」
俺に何も話させないまま消えたかと思うのと同時にドアが開いた。出ていった時は1人であったが今度は2人である。1人はグラシアであるのだが、もう1人は見たことがない人物で、グラシアよりも小柄な青年だ。とはいってもグラシアは180後半はありそうなほど背が高いのでグラシアと比べれば当然小柄である。けれども彼の年代からすれば十分高い方だといえるだろう。
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