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「部下全員呼ぶわけにはいかないので私と同期の人を3人ほど呼びました。」
「そうですか。つか今戦争中なんですよね?こんなのんびりしてていいんですか?」
今までを見ている(といっても夕方からでしかないのだが)と戦争をしているという感じには見えない。いつもどおりに普通に生活を送っているように見える。
「戦争中だといっても年中しているわけではありません。とはいってもあと和平交渉の状態がよろしくないですから2、3日もすれば開戦になるとは思います。」
そう言うと高鷲さんは立ち上がった。
「では中尉。行きましょうか。」
「行くってどこへですか?少尉さん。」
「高鷲、若しくは沙月と呼んでください中尉。皆がそろそろ来る頃ですので部屋の外で待ちましょう。」
高鷲さんが俺のことを中尉というので、俺も少尉と呼ばなければならないかと思った。がそうでもなかったようだ。
「わかりました。けどその中尉ってのは聞きなれないから俺のことも高嶺か悠蒔でいいですよ。」
正直、高嶺とか悠蒔も聞きなれてはいないが堅苦しく中尉と呼ばれるよりはマシだ。何より不本意ながらもこの名前に慣れなくてはならないし。
「それはできません。高嶺悠蒔は高嶺(たかね)なんですから。」
高嶺とはなんなのか聞こうとする前に部屋の扉がノックされた。呼んだ人たちが来たのだろう。
「とりあえずそれでお願いします。あとは貴方は隊長なんですから私に敬語は使わないで下さい。」
「慣れるまでは我慢してください。慣れてくれば自然と敬語は使わなくなると思いますから。」
「わかりました。」
軽く了承すると部屋のドアを開けた。そこには男が2人、女が1人いた。
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