272人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
改めて周りを見てみると今歌った男の人ともう1人の男の人が話をしている。逢った時から気になっていたんだが沙月さん以外の3人とはどこかで逢った気がするんだよな。
とはいってもいきなり「俺と何処かで逢ったことないか」なんて聞くわけにはいかないからどうしようもないんだが。
「楽しくなかったですか中尉?」
「えっ?」
「やはり明日以降の日程も考えるとそろそろ終わらせるべきですね。そうですね。」
おもむろに立ち上がりかけた沙月さんの手をとって無理矢理座らせる。
「いきなりどうししました中尉?」
「自意識過剰かもしれないけど、俺に気を使って終わらせようとするなら大丈夫。別に俺はつまらないとは思ってないから。ただちょっと考え事してただけなんだ。」
「いえ、中尉のおっしゃるとおりですよ。中尉がそうおっしゃるなら私は何も言いません。」
「沙月さんどうしたの?」
「なんでもないですから。気になさらないで下さい。」
沙月さんとは違うもう1人の女の人が声をかけてくる。立ち上がりかけたから何かあったと思ったんだろう。そうこうしているうちにまた曲が流れ始める。
「哀しみの唄思い出を胸に秘め 歓びの唄唄えば開く未来(みち) 僕らはねぇ僕らはどこまで進めばいいのかと流れ星に問いかけてる 時は無情なほど過ぎ去ってゆく 人は「後悔」を背に明日を見つけ出す 多分僕らが今ココにいる意味は儚く瞬くあの星座と同じ 別れの過去と新しい出会いのリフレーンたとえ切ない風色でもいつか輝くきっと 寂しく水面揺れる波打ち際にひとりでずっと佇んでた僕に向けて 君がとびきり咲く笑顔をくれるそれは優しく包む天使のように見えた 誰より強くなれるよ… たぶん僕らが今ココにいる意味は煌めいては散るあの波頭と同じ 別れの過去と新しい出会いのリフレーンその中の瞬間「君」というヒカリ見つけた奇跡 そう僕たちはひとりぼっちじゃない この涙はそこにそっと置いていこう 哀しみの唄思い出を胸に秘め失(な)くした分だけ掴むものがあるよ 歓びの唄唄えば開く未来(みち)がある だから迷わず進めばいい空を仰いでもっと もっと…」
最初のコメントを投稿しよう!