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「戦乱の時代ですから裏切られることも考えられます。ですから友好国だからといっても油断はしないでください。信頼はしても決して信用はしないでくださいね。
駆け足で説明しましたが何か疑問点などはありますか?」
「じゃあ1つだけ。なんで戦争なんてしてるんですか?戦争なんてのは思想の相違、自国の利益の追求、対話による問題解決の不可。パッと考えただけでも戦争が起きる理由なんてのはこれぐらいのはずです。ですけど見てきた限りではそういったものは見られませんでした。にも関わらず戦争を行うのは何故なんですか?」
―――――――
「高嶺が戦争開始までに間に合ったか。これで我が国が勝てる見込みも出てきた。」
「しかし本当に神剣なんてあるのか、なぁオイ。」
とある部屋の一室で2人がソファに向かいあって座っている。右手側に座っているのは大柄な男。口調に品性は感じられないが軍服を確りと着こなしている。対して左手側に座っているのは対面に座っている者の上司。大柄な男よりも年若いが彼よりも落ち着いた雰囲気を漂わせている。
「自分で見たものしか信用しないのはけっこうだが時には聞いたものを信用することも大事だぞグラシア。」
「わかってはいるんですがどうもこういう性分なんで。」
「しょうがないやつだな。だが結果的に本当に神剣はあった。そのために私もわざわざ出向いたのだから。」
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