斜陽

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 俺は真夏の海中のような、暖かな水の中に横たわっていた。周りは仄暗いがそれが不安に感じることはない。これは夢だ。まずそう思った。夢の中にあってこれが夢であるとわかるそんな感覚。  ふといままでの事を思い出していた。何故かはわからないが気になった。そういえばフィアと喧嘩してたっけ。目醒めたら自分から謝ろう。そのことでリリアにも迷惑かけたよな…というか皆に迷惑かけてるよな。そんなことを思って苦笑してしまう。だけど皆文句言わないで俺のことを支えてくれる。感謝してもしきれないな。皆には迷惑かけてるけどできるだけかけないようにしたいな。そして皆で笑い合える日々がいつまでも…     ・・・・・・・       続くといいのに  ――――――――――― 柔らかな陽射しの中で目を醒ました。病室を思わせるような白に染められた部屋が朱に染まっていることからもう夕方だと思われる。  しかしながら  「見たことない部屋だな」  ついポツリと口をついて出た言葉が誰とも聞かれることなく消えていく。  しかし本当に見たことがない。10畳ほどあろうと思われる部屋にあるのは、窓にあるカーテンと最低限の調度品だけ。  そこで気付いた。枕元に無造作に手紙があることに。  「これって俺宛てなのか?」  枕元に置いてあるのだからそうなのだろうが、この部屋を俺は知らない。だから違うという可能性も否定できない。だが  「元に戻しておけばバレないよな」  封筒に入っているならまだしも無造作に置かれているのだからまずバレることはない。それに俺宛てじゃなくてもここに置いた人が悪いんだよな。一通り自分に自己弁護するとその手紙を開いた。 早くも 9月が過ぎ、ここ葵 市にも秋の 音色が聞こえ、私も 馬術をたしなんで います。治療の為病 院にいるの でしょうがガンバで すよ
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