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「あぁそうだ。君に1つだけ忠告しておこう」
さもなんでもないことのような声色で背中ごしに言ってくる。
「これは君の預かり知らぬことであろうが…死ぬなよ。まぁ死んだのならその時は私が体の隅々まで実験に使ってやるから心配はしなくていい。では今度こそ失礼する。」
そして今度こそこの初老の男性は出ていった。
本当になにがなんだかわからない。ここが何処なのか、自分の命を狙われる理由が、皆は何処にいるのかわかない。
とりあえずは何か食べたら直ぐに寝よう。この状況下でそんなことをするやつを見たらなんて楽観的なんだと思う。が自分はどういうわけか命を狙われているため、一寸先は闇という諺があるように今後どうなるかわからない。ならば休める時に休んでおく方が賢明だと思う。
自分なりに自己完結させると、まずは食料確保のために部屋から出た。
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まず最初に気付いたのは皆が見てること。といっても部屋を出てからここまで皆してチラチラと見ているのだから気付かないほうがおかしい。しかも明らかな嫌悪・恐怖・困惑などといった感情が視線に宿っているのを感じる。正直、気が滅入るところだが理由がわからない以上どうしようもない。極力気にしないようにしつつ足早に歩いていく。
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忘れていた。お金がないと物を買えないこと。つまりはお金を持たずに買いに行ったということだ。レジの人はお金はいいから持っていってくれと言っていたがそういうわけにはいかない。ちゃんと筋は通さなければ。そういうわけで部屋に戻ってお金を探している。そうしてさがしているとベッドの下から1振りの剣が出てきた。
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