斜陽

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 見たところ大量生産品となんら変わらないように見える。が、ならば何故あたかも隠しているかのような場所にあるのだろうか。  疑問するが考えてもわからないことには変わりない。ここに置いておくわけにもいかないから、とりあえず医者か来た誰かに持っていってもらおう。そう考えて剣の柄に手を伸ばす。  触れた瞬間、そのフォルムがいきなり変わった。普通の剣であれば刃:柄の長さは3:1、4:1、長いものであれば5:1ぐらいだろう。だがこの剣は比率が3:2ぐらいであり、普通のものよりも柄の部分が異様に長い。  そして剣のフォルムが変わり終わると  「やっと解放されたか。なかなかにおいて面倒な封印じゃったの」  いきなり声が聞こえてきた。そして驚いた拍子に剣を落としてしまった。とりあえず冷静になって部屋を見渡してみるが、誰かが入ってきたような気配はなかったのだから当然誰もいない。だとすると  「この剣だよな」  もう一度持ってみると  「いきなり落とすとは何事じゃ。礼儀がなっておらん」  また声が聞こえてきた。しかも怒られてしまった。  「………」  「なんとか言ったらどうなのじゃ。久々の再会だというのに」  「ちょっと待て。久々の再会ってのはどういうことだ?」  「主、まさか覚えとらんのか?」  「覚えてるもなにも俺とは初対面だろ。つか姿が見えないのに初対面もクソもないんだけどな」  「!!!…そういうことか。つまりは儂の行動も予測済みというわけじゃな。まぁよい。今は理由(ワケ)あって力を浪費してての、だから姿を見せられないのじゃ。直に回復するのでそれまでは辛抱してくれ」  「じゃあそれは後回しとして、なんか俺の知らないこと知ってるみたいだから知ってることを教えてくれよ」  「バカモノ。そんなことをしている暇はない。早くここから出るのじゃ」  剣を持ったまま眠っていたベッドに腰かけようとしたところで声の主は声を荒げた
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