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「コホッ…コホッ」
江戸は今は季節風で 塵が舞う
そんな江戸を咳をしながら 歩く奴を見かけた。
妖艶の気を纏った
高杉晋助だ。
あっちはまだ俺に気付かない様で、
ベンチに腰を降ろした。
さっきから あまりに
咳をするもんだから
俺は水をあげた。
高杉は俺がいることに
気付いたが、格別驚きもせず
「ふーん…」
と何かを納得した様な声を出し
水を飲んだ
「人生そう上手くいくもんじゃねーか…」
高杉が唐突に言った。
意味が解らない…
は?
と俺が聞き返すと
「毒でも入ってんのかと思ったぜ…?」
と いつもの様にククッと笑った…
「そんな事して俺に何の得があんの?」
俺がコイツを殺す意味が解らん…
そう思いながら言ったら
キレてるみたいになっちまった…
「邪魔だろ?昔馴染みが
過激派攘夷浪士なんて。
俺がいなくなりゃぁ
おめぇは人生を謳歌できる...。」
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