其の壱 日常

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「……あいつか。」 だが、すでに奮えは無くなっており、再び冷静に言葉を紡ぐ。 「もう2年も経つのに……今頃になってあんな夢を見るなんて……。」 そう言った明菜の表情は昔の出来事を思い返す。 「………達也。」 そっと一言呟くと、彼女…神崎明菜は朝日が見え初めている景色を窓越しに眺めていた。 ――――― 「ふわぁぁあぁ……ねむっ。」 退屈だ…。非常に。異常なまでに。 俺、杉原雅人は高校3年になったばっかりの一般高校生だ。 今日もただ退屈な時間を過ごしに学校に来ている。 「うぉい雅人。おはよう。」 ……朝からうるさいのが来たよ。 「なんだよ?」 「何だって言われてもなぁ…挨拶ぐらいいいだろ?雅人は今日も朝は不機嫌なのかい?」 別に挨拶くらいならいいんだが、お前の場合それだけじゃ終わらんだろうが……。 「……別に。そういうお前はどうなんだ?」 「雅人ぉ、君は毎日毎朝毎晩俺を見ていても、これが通常通りだとわからんのかね?」 「……………………」
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