其の壱 日常

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「ほら、あの娘だよ。行ってきな。」 そしてさっさと消えてくれ。ついでに変態扱いされてこい。 「言われなくても行くに決まってんしょーー!!」 そう言い残して音速でこの場からいなくなっていた。 …………阿呆だ そう思ってしまうのも無理ないだろう? 何たって陸…もとい奴がそういう奴だからだ。 そう思いながら外を見ていると校門にはすでに陸が片っ端から女子に話しかけていた。 「……マジでいきやがった。」 まさか本当に行くとは…… 過去にも陸は弄んでいたが、このパターンは初めてだったからだろうか、本当に行くとは思わなかった。 しかし、俺に申し訳なさは湧いてこない。湧くのは陸に話しかけられている女子に対してだ。 陸に申し訳なさなど……ゾンビになってもありえない。 あとで陸にはお灸を据えておこう。この世の平和の為に。 とまぁこれが俺の日常。 何も起こらない平和そのものだ。陸がいるから俺は退屈しないだけなんだけどな。 ガラッ… そんなことを考えていると教室のドアが開いて担任が入ってきた。
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