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さぁ語ろうか、後の世界で【朱き騎士】と呼ばれる事になる少年の唄を……
シオン・アスナー・ヴァゼアラートの物語を。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
現在……精霊暦3443年から約15年前の事。
精霊暦3428年……
ヴァゼアラートと呼ばれる世界で、とある事件が起こった。
ヴァゼアラートに在る和な一地方で、盛大な祭りが催されている。
何故なら、今日と言う日は長年に渡り付き合い続けていた、領主の恋人が輿入れをするのだから。
この日はリオーラの地方領主、ユーリク・リオーラが結婚すると言う日はめでたい日だ。
人々は、結婚を祝して本当にお祭り騒ぎだった。
誰もこの後に、事件が起こる事など知る由も無い。
領民たちが、輿入れしてくる令嬢を一目観ようと集まって来ている。
光の炎の一族で、朱色の長い髪の毛を後ろで結った、翠の瞳の……まだ17歳になったばかりの少女。
ルヴィナ・ファラードは、御輿の中でにこやかに手を振っていた。
この世界の人間は、生まれ付いて世界をたゆたう精霊との交感能力が高い。
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