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友達はすでに家に帰って行きました。
僕はまだグラウンドに転がっていました。
太陽が地平線に沈みかけ、その光が僕のぐしゃぐしゃの顔を照らしました。
その数分後。
辺りはすっかり暗くなりました。
ようやく僕は立ち上がり家に帰りました。
「ただいま・・・」
「どうしたの?翔太!」
母さんは息子がケガをして帰って来たのを心配しました。
「なんでもないよ。」
それしか言えませんでした。
「そう・・・」
意外な返答でしたが母さんも僕の気持ちを察してくれたのでしょう。
僕は自分の部屋に入り布団に入りました。
すると、勢いよくドアが開きました。
「翔太!遊ぼうぜ!」
勢いよく入ってきたのは父さんでした。
僕は父さんが大好きでした。
毎日父さんから遊ぼうと言ってきてまるで子供で友達のように接してくれました。
そんな父さんが僕は好きでした。
ですが、今日は違います。
息子の顔のあざに気がつきました。
「どうした?」
僕は思い切って父さんにすべて話して見ることにしました。
すべて話し終えた瞬間。父さんは・・・
「えらいぞ~翔太!」
父さんはいきなりほめてくれました。
「でも、いっぱい殴られたよ。」
「なぁ~、翔太。殴られたっていいじゃねぇーか。男の子なんだから」
「悪いことするやつはこの世の中いっぱいいるけどなー、良いことするやつはあんまいねーんだぞ!」
「・・・」
「お前のしてることはすげーんだぞ!」
「良いこといっぱいして大きな男になれ」
「わかった」
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