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慟哭
空から降る雫はいつまで経っても止まない。
俺が流す涙も止む気配が一向にない。
君を失くしたこの場所でいつまでも咽ぶ俺の身体は冷えていく。
あの日傘を差し伸べてくれた手も、もう無い。
最期まで笑うなよ、
最期くらい泣いてくれよ、
俺ばっかり泣いて、
俺ばっかり笑って、
俺ばっかり楽しくて、
なあ、
俺ばっかりじゃねぇかよ、
お前はそれで良かったのかよ、
なあ、
息が止まりそうな沈黙で、
お前はどうして笑ってたんだよ。
どうして泣かなかったんだよ。
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