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「先生ー!さよーならー!」
学校内の廊下で、女子高生等の声が若い教師に掛けられる。
そして、その教師は「はい、さよなら。」と優しい声で返事を返すのだった。
彼の名は白鳥純一。
女子高生、更には女性教師にまで好かれるイケメン教師である。
そして、さっきの女子高生等が俺の前を『無言で』通り過ぎる。
「おいテメェ等!教師に会ったら挨拶ぐらいせんか!!」
俺がそう注意するとすかさず、その中の一人の女子高生が。
「五月蠅い、根岸!!」
と、俺に罵声を浴びせ去っていった。
俺の名前は、根岸貞吉。
高校教師である。
また、自他共に認める、ブサイクである……が、自分では白鳥よりかは、良い性格をしていると自負している。
俺は今、職員室へと歩いている。白鳥も同じく。
時刻は既に放課後であり、今から数時間後に、糞面倒くさい職員会議が始まるのだ。
今週の議題は、所謂悪ガキどもの処罰について。
さっさと出停にしてしまえば良いものを、教頭が学校の責任問題がどうだのと、宣うためまた決まらないのだろう。
……とにかく、俺、ましてや他の教師でさえ、この問題を考えないと行けないらしい。
全く面倒くさい。
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