イケメン教師とブサイク先公。

2/35
64人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ
「先生ー!さよーならー!」  学校内の廊下で、女子高生等の声が若い教師に掛けられる。 そして、その教師は「はい、さよなら。」と優しい声で返事を返すのだった。  彼の名は白鳥純一。  女子高生、更には女性教師にまで好かれるイケメン教師である。  そして、さっきの女子高生等が俺の前を『無言で』通り過ぎる。 「おいテメェ等!教師に会ったら挨拶ぐらいせんか!!」  俺がそう注意するとすかさず、その中の一人の女子高生が。 「五月蠅い、根岸!!」 と、俺に罵声を浴びせ去っていった。  俺の名前は、根岸貞吉。  高校教師である。  また、自他共に認める、ブサイクである……が、自分では白鳥よりかは、良い性格をしていると自負している。  俺は今、職員室へと歩いている。白鳥も同じく。  時刻は既に放課後であり、今から数時間後に、糞面倒くさい職員会議が始まるのだ。  今週の議題は、所謂悪ガキどもの処罰について。  さっさと出停にしてしまえば良いものを、教頭が学校の責任問題がどうだのと、宣うためまた決まらないのだろう。  ……とにかく、俺、ましてや他の教師でさえ、この問題を考えないと行けないらしい。  全く面倒くさい。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!