イケメン教師とブサイク先公。

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 職員室に着き、俺は自分の指定された席に深く腰を下した。  今日は流石に疲れた。今日は今日で俺のクラスの悪ガキどもに、HRに説教をし、更には放課後の追試をしたからである。  しかもご丁寧に、俺のクラスの面子が揃いもそろい、13人。  追試開始から終了までは何十分も掛かるので、やりたくない。  因みに奴等は全員不合格。課題をたっぷり出してやった。それも拷問レベルの。  さて、話は現在の俺。  まだ職員会議が始まるには早い。  それまでの暇つぶしが必要だった。  自分でいうのも何だが、俺は計画性が良い。  やるべき事は今の時間までには、終わっていた。  ただ一つ、やり残した事を除いて。  それは……俺の授業日数が一日足りないと言う事だ。  先週、俺は風邪をひき、二日ほど休んだ。その中の一日分授業が欠如している状態である。  しかも厄介なのは、その時間に白鳥が授業をした事。  それにより、俺はあいつから一回分時間を貰わなければならなかった。 (……話すのも億劫ってのに。)  そう思う俺だったが、流石に頼まないと色々と面倒なので。  俺は席を立ち、俺とは違い浅く席に腰掛けている白鳥のもとへと向かった。 「すみません、白鳥先生。」  いくらムカついていても、同じ教職員であり、同じ職場で働く者であるから、悪態などはつけない。 「あ……はい、何でしょう、根岸先生?」 「先週休んだ分の元を取りたいんだが……いいかな?」 「あ、はい……じゃあ、この日とこの日、……のどちらかが都合がいいですね。」 「あー、……じゃあこの日のを貰うよ。」  軽く用件を終えた俺は、すぐさま立ち去ろうとする。  しかし、それを白鳥は止め、こう言ったのだった。 「あ、根岸先生。……今日、飲みにでも行きませんか?」  ……俺の顔色でもみたのだろうか。 (阿呆らしい。誰がお前なんかと呑みにいくものか。) 「いや……今日は用事があるから遠慮する。また今度。」  そう捨て吐いて、自分の席に戻る。 (……ふぅ。)  流石に、今のに少し苛ついた俺は、席に座ったのだが落ち着かず。  絶えれず、校内唯一の喫煙場所……と言っても職員室の一角だが……に向かった。
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