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―お願い…。私を…探…し…て…。―
カチ…コチ…カチ…コチ…。
畳(たたみ)の部屋に、4つの布団が敷いてあった。
だが、寝ていたのは少し茶色がかかった髪の少女だけ。
その少女が起きた頃には、時計が6時15分を回っていた。
「…夢見、悪かったな。」
ボソッと言いながら、「んーっ。」と少女は伸びをした。
「…相変わらず、早起き苦手だよね。美優(みゆ)。
千里(ちさと)達、顔洗いに行ったよ?」
ちなみに、このメガネっ子でクールなイメージの子は有希(ゆき)。
某アニメとは全く関係ありませんよ?
有希はクーデレのデレ部分が多い、美優の幼なじみちゃんです。
あ、「クーデレ」の意味がわからない人は、お近くのオタってるお友達に聞いてみようか?
辞書で調べても、多分出てこないしね。うん。
「…語りべ、なんか君の言葉になってない?」
「えー?気のせいだよ?…多分。」
「…そう?まあ、良いけど。」
そうこうしているうちに、他の班のメンバーも帰ってきた。
「おはよー。美優、遅かったね?」
「んむぅ…早起きは苦手で…。」
美優は目をくしくしとこすった。
「…可愛い。」
「何か言った?」
「…別に何も。」
美優に、怪しげな意味を込めた「可愛い」発言をした日向(ひなた)は、ぷいっと美優から目を逸らした。
「…ったく…。ひなたんは見境ないんですから…。
みーたんも、早く布団たたまないと朝ご飯が来ちゃいますよ?」
「ふぁーい。」
まだ眠そうな目をしている美優は、すぐに布団をたたむ作業にかかった。
「千里、なんかお母さんみたいだね。」
「ゆーちゃん程、みーたんの扱いは上手くありませんけどね。」
千里は苦笑しながら言葉を漏らした。
―数十分後。
「ではではっ。」
「「いっただっきまーす!!」」
「ですっ。」
部屋に朝ご飯が届き、皆で一斉に箸をつけ始めた。
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