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踏むたびにギシギシとなる階段を、4人は上っていった。
「中は記念館みたいになってるんだぁ…。」
「すごいですねー。」
「…これ、まともに見てるやつ いるのか…?」
「それを言っちゃダメな気がする…。」
そんな会話をしながら、一つ一つ見て回った。
城の、ミニチュアの辺りまで来たところで、美優は皆に話しかけた。
「そういえばさ、皆はゆーれいさんに、何をお願いするの?」
「私は“数学と英語の点数が上がりますように。”…かな。」
…有希は、すごく現実的な事を言った。
「…なんか、ゆーちゃんらしいですね。」
苦笑しながら千里も声を漏らした。
「…あー。確か有希、こないだの通知表に赤ついて…「それ以上言うなっ!!」
…有希のグーパンチが、日向の頭にクリティカルヒットしたのだった。
「…ってぇ…。有希の力は強いっつーの…。」
「そうゆうひなたんは、何をお願いするの?」
…純粋な笑顔で、美優は聞いてきた。
「え…っと…その…。」
(ひなたん、ついに言っちゃうのですかね…?でも、まだダメですよ?このままの関係が崩れないようにするためにも…。)
「み…みy(げふんげふんっ じゃなくて、皆と ずっと一緒にいられますように…かな。」
「…口、滑らさないで良かったですね。」
「千里、何か言った?」
「いえ、何も。」
「ひなたんのお願い、なんか可愛いね。」
「そ…そうかな…?」
「うんっ。ずっとは無理かもしれないけど、この修学旅行中はずっと一緒だし…。めいっぱい楽しもうね!」
「美優…。」
…数秒後には、美優は日向に抱きしめられていた。
「ちょ…っ。ひなたん!?」
「美優、可愛い~。…げぼぉっ!?」
今度は、千里のグーパンチが日向に当たった。
「…ったく、ひなたんは…。次からは“変態ひなたん”って呼ばせてもらいますよ?」
「ちょっと待て!!千里も頭撫でたりとかしてただろうが!!」
「こんな、大衆の面前でした事はないですよーっだ。」
千里はあっかんべーと舌を出した。
言われてみればそうだ。現に、今は周りに一般客もいたのだった。
「…ったく、わかったよ…。美優、ごめんね?」
「んーん。別に、私は気にしてないから大丈夫だよ?それに私、皆に頭撫でられるのとか、抱きしめられるの、好きだもんっ。」
…どこまでこの子は精神年齢が低いのだろうか…。
美優に関しては、もう誰もつっこめなくなってきた。
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