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白で統一されたその部屋は
わたしのお気に入り…
大きく開かれた窓から
やわらかな陽射しと
おだやかな風が舞い込む午後
「お嬢様?そろそろお時間です」
「………」
「お嬢様?」
「あ!じいや?何?」
「飛行機のお時間です」
…そうだわたしは今日
イタリアへ帰るんだっけ
わたしは手にしていた携帯の画面を指で弾いた
「クリアしたかったな…」
「お嬢様、如何なされました?」
「かいとうのゲームだよじいや」
「怪盗?ですか?」
「いいえ解凍よ!敵のボスが、世界を寒いギャグで凍らせるの」
「お嬢様…もしやそのボスの名前は……」
「たく」
執事は静かに頷いて
メイドを呼んでわたしの旅立ちの用意をさせた
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