舞い降りた花弁

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  会社から出ると、直ぐに電車に乗り込み東京駅まで向かう。 ちょっと待て。 駅近くのコンビニったっていくつあるんだか… ここで、コンビニの名前を聞いておくという重大なミスを犯してしまっていた事に気づく。 「俺もまだまだか…」 なんて自嘲気味に笑う。 仕方ない手当たり次第にコンビニを当たるか… そんな事を思いながら東京駅の正面まできた。 平日の昼間だというのに相変わらず人は多い。 皆が各々に歩く。 まずは…一番に目についたコンビニを目指す、が、不発。 次のコンビニも、また同じ。 「コンビニを出たのか…」 そうなれば探し出すのは一苦労だ。 「いったい、なにやってんだよ俺は」 などと、今更ながらに思う。 たかが、後輩のために会社を早退してまで見つけにくる必要なんてないのに。 ………いや“たかが”後輩じゃないのだ。 それは、俺自身の行動で分かるじゃないか。 ため息を一つすると、俺は再び歩き出した。  
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