舞い降りた花弁

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  「今年の桜はまだ咲いてんだな」 東京駅を少し離れた辺りに、桜の並木道を見つける。 「歓迎会と称して花見をやったのは…1週間くらい前か」 その頃には桜もほとんどんが花を開いていた。 直ぐに散ってしまうかと思っていたがここまで長く咲いているとは少し驚いた。 そんな事を考えながら桜を眺めていた俺だが、足が止まる。 目の前の光景にだ。 一本の桜の下、佇む人影。 桜を虚ろな瞳で見つめている儚げな姿。 間違いない、えらいご都合主義だ。 「………そら」 俺は人影に声をかけた。  
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