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「…一也サンっ!」
一瞬だった。
切なそうな顔を浮かべたのを俺は見逃さなかったが、それを全くなかったように笑顔でそらは俺の方に駆けて来る。
「すいません!待てって言われたんですけど…あんまり桜が綺麗で…」
「開口一番それか?もっと言うことあるだろ?」
俺はため息をつく。
「……??お久しぶりです?」
首を傾げてそらは言う。
本当に分からないのか?
「…違う…」
「………老けましたね?」
「ふざけるな!」
キャッと声を上げてそらは身を守るように構える。
そして、ゆっくり俺を伺うように見る。
「なにしにきた?」
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