死の価値

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演習場に入り、30メートル程離れた、人間のダミー人形に向かって『エスコート』の銃口を向ける。 パァーーン!! 弾は人形の腹部に命中した。 弾道が下に反れるらしい。心臓を狙ったつもりだったが… 『エスコート』 正式名『スミスアンドウェッソンM61』 外見はまるでプラチナのアクセサリーの様に美しい。 さらに『エスコート』はポケットピストルの中ではずば抜けて性能が高い。 マガジンに五発 薬室に一発 計六発の弾を装填できる。 威力は大型拳銃には劣るため、心臓を外せば一撃で仕留める事はできない。 至近距離での発砲を余儀なくされる。 試し打ちをする時は、その拳銃の事を考えながら一発一発を放つ。 俺の儀式の様なものだ。 納得のいくまで試し打ちをし、匠のオヤジのペンションを出て、バイトに向かった。
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