死の価値

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「今回のターゲット…兼、クライアントは、今が人気の女優、工藤 未來だ」 「へ~」 岬はボサボサ頭を描きながら、パソコンをカタカタ打っている。 「驚かないのか?」 依頼主とターゲットが同一人物である事に、岬は驚かないらしい。 「よくあることだろ…」 「ふーん…………で、工藤 未來について教えてくれよ」 この部屋に入ってからまだ一度も岬は振り返らず、パソコンに向かって話している。 「工藤 未來 24歳 黒河プロダクションの女優 デビュー作は19歳の時に出た映画『もし君にまた会えるなら』という恋愛もの、 この映画でセミヌードを披露し、話題を集めた。 その後彼女は映画やドラマのヒロインを数々こなし今にあたる…」 「……へー…いやいやっ、そんな事は調べればわかる事だからっ、俺が聞きたいのは………「薬物の事か?」 喰えないやつだな…わかってるなら、初めから言えばいいものを。 「マスメディアに両親の話題が出た事が無い事は知っているか? 彼女の母親はとても人当たりもよく、慕われた女性だったらしい。 しかし、親父は暴力団 巫組(カンナギ)の幹部なんだ… 下手にメディアも手をだせないってわけだ。 彼女が薬に出会ったのは20歳の時で、母親が他暴力団体に殺され、平常心を保つ為に初め、止めれなくなったと…」 嘘だろ…?暴力団絡みだって!? そんな事、あのマネージャー何も言ってねぇぞ!? 悩んだ顔をしていると岬が声をかけてきた。 「今回の依頼はおそらく、独断…だとしたら、巫組はこの殺人を知らない… だか…もしだぞ?お前への依頼の通達が本人じゃない場合…組織はすでに動いてるのかもしれない」 やばいな…もしかしたら、あのマネージャーが巫組かもしれないって事か。 「俺の店に来たのは、彼女のマネージャーだった。彼女の親父の事なんて、一言も聞いてない!!まさかここはバレてないよな!?」 「発信器はついてないし、追ってもいない…ここはバレてないよ…」 岬のマンション周辺には監視カメラや電子機器スキャナが至るところに取り付けられている。 ある意味ストーカーだ。
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