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あの日から頻繁に、ソラは仁史のもとを訪れた。 自宅のドアをノックすることもあったし、丘の方へ現れることもあった。 仁史には、ソラが訪れる日というのが、大体わかるようになっていた。 初めて会った日がそうであったように、空の雰囲気が違って見えるのだ。 人間の第六感というものが働いて、仁史には空がそう見えるのかもしれなかった。 実際には空に変化があるのではなく、それを見る仁史の心がそう感じさせているのだろうと思った。 ソラにそれを話すと、何も言わず笑っていた。 「僕には霊感だとかいうのは、ないと思ったんだけど」 と、仁史は言った。 ソラは相変わらず、水以外の物は口にしなかった。 仁史が食事をしていても、水ばかりを飲んでいた。 それも、付き合い程度にカップやグラスに口をつけるのである。 初めは食事をしている方の仁史は、何とも居心地が悪い気がしたが、すぐに慣れた。 今ではソラが肉だの魚だのというものを口にすることの方が、不自然に思うほどだった。 二人は穏やかに一日を過ごしたが、さすがに夜になると仁史はソラを帰した。 何処へ帰って行くのだろうと思いながら、仁史はソラの背中を見送った。
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