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高校生のとき、一つ下の幼なじみから義理チョコを貰ったことがある。
片思いのクラスメートにあげる本命チョコを作ったときの余りで作ったらしかった。
「義理チョコあげるね」
学校帰りに手渡されたときはドキドキだった。
ピンクに赤いハートをちりばめた袋には手作りチョコ数個が入った小さな箱とかわいらしい便箋が入っていた。
嬉しかった。
「先輩にあげるチョコを作ったあまりだけど、心をこめて作ったからちゃんと食べてね」と、書かれていた。
俺の気持は知らないんだよな、と思いながらチョコを口に入れると、自然と涙が溢れてきた。
そんなあいつも今じゃ立派なオッサンになっているんだろうな。
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